ミッション

イスズエルフのチェンジが入らない!スムーサーのチェックランプが点灯し、動かなくなったトラックの修理の記録1

トラックのミッションがスムーサー車って??昔と違いかなり進化して、燃費が良く、エンブレがかかります。

大阪府交野市で中古トラックを販売しているトラック123です。

 

少し前に仕入れて敷地内に停めていたイスズエルフのクレーン付きトラック。

平成17年登録、型式はPA-NPR81R、エンジン型式は4HL1のスムーサーミッション車、走行距離はおよそ13.3万kmです。

 

敷地内で移動させようとしたところ、しばらく動かしていなかったので、バッテリーが上がってエンジンがかかりません。

救援用のバッテリをつないでキーを回すと、ようやくエンジンがかかりました。

いざ、動かそうとシフトレバーを動かすもチェンジが入りません。

1速、2速、3速、、、、R、どこに動かしてもチェンジが入りません。

メーターパネルには、スムーサーのチェックランプが点灯していました。

イスズエルフのチェンジが入らない!スムーサーのチェックランプが点灯し、動かなくなったトラックの修理の記録1

テスターでの診断結果は、

・変速クラッチバルブ回路断線

・変速クラッチ切れ不良

 

クラッチが切れないので、チェンジが入らないという診断結果でした。

緊急脱出用のスイッチをONにしてみましたが、状況に変化はありません。

 

仕方がないので、いすゞ自動車さんに電話して、なんとかチェンジを入れる方法はないか聞いてみることにしました。

しかしながら、非常用のスイッチでクラッチが切れないのならば自走することはできないと言われてしまいました。

最悪ミッションの載せ替えで、100万円くらい修理代がかかる可能性もあるとのことでした。

イスズエルフのチェンジが入らない!スムーサーのチェックランプが点灯し、動かなくなったトラックの修理の記録1

走行13.3万km、初度登録から18年経っているので、大きな修理が必要になってくる時期です。

クレーン付きのトラックをこのまま廃車にしてしまうのはもったいないので、自社でスムーサーミッションを載せ替えて再生させることにしました。

イスズエルフのチェンジが入らない!スムーサーのチェックランプが点灯し、動かなくなったトラックの修理の記録1

ここで少しスムーサーミッションについて説明します。

 

2003年4月にいすゞ自動車(株)が、経済性と安全性を両立した次世代トランスミッション「スムーサーE」を搭載したイスズエルフを発売しました。 

 当時、いすゞでは、マニュアルトランスミッション(MT)の長所と、オートマチックトランスミッション(AT)の長所を両立させ、さらに「低ライフサイクルコスト」を実現した次世代型トランスミッションを「スムーサー(Smoother)」と総称し、大型車のギガに「スムーサーG」、中型車のフォワードに「スムーサーF」を搭載していました。

「スムーサーE」は小型トラックのエルフに最適化されたシステムとして登場しました。

イスズエルフのチェンジが入らない!スムーサーのチェックランプが点灯し、動かなくなったトラックの修理の記録1

「スムーサーE」の主な特長は次の通りです。 

 (1) 通常のマニュアルトランスミッションをベースに、クラッチシステムをフルードカップリング(*1)と湿式多板クラッチ(*2)に変えたシンプルな構造。シフト、アクセル操作などの信号を受けて最適なクラッチ操作を自動油圧制御により行う。

(2) クラッチペダルがなくAT限定免許での運転が可能。運転はアクセルとブレーキの2ペダルで行い煩雑なクラッチ操作が不要となるため、運転疲労が軽減され安全性が向上するとともにイージードライブ化を実現する。シフト操作はMT車と同様に手動で行う。

(3) 発進以外のほとんどの走行状態において、通常のマニュアルトランスミッションとロックアップクラッチ(*3)で動力伝達が行われるため、MT車並の加減速性能と燃費が得られる。また、エンジンブレーキや排気ブレーキもMT車同様の性能が得られる。

(4) ギアが入った状態でAT車同様にクリープ現象が発生するため、坂道発進や数センチ単位のプラットホーム付け、縦列駐車などの場面でも、アクセルとブレーキ操作のみで発進・微速走行が可能。

(5) フルードカップリングを採用し発進を流体クラッチで行うため、MT車のようなクラッチ盤の交換が不要となり、メンテナンスコストの大幅な低減が図れる。 

 

*1. エンジンからの動力を流体を用いて伝達する装置。発進時に使用し「滑らせながら徐々につなぐ」機能を受け持つ。これによりスムーズな発進を実現すると共に、クリープ力を発生させ微速走行も可能とした。

*2. 変速時にミッションへのエンジン動力を断接する。断接はシフトレバーからの信号により、コントロールユニットが油圧を制御して行う。

*3. 車速が10~15km/hに達した時点でフルードカップリングを機械的に直結させるクラッチ。フルードカップリングによる伝達ロスを防ぐ。 

 

(いすゞ自動車(株)のプレス発表より引用)

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