小型BEV(バッテリー式電気自動車)トラック「日野デュトロ Z EV」日野自動車より新発売!物流現場での使い勝手を追求した1台です。
日野自動車株式会社より、現場での使い勝手を追求した、超低床・小型BEVトラック「日野デュトロ Z(ズィー) EV」が発売され、特に物流業界で大きな注目を集めているようです。
ラインナップを見てみると、ウォークスルーバン・バン完成車(サイドドア付)・バン完成車(サイドドア無)とあるようです。
この記事では「日野デュトロZ EV」の、ウォークスルーバンの魅力に迫りたいと思います。

その前に、小型BEVトラックとは何なのか、解説しておこうと思います。
BEVとは「バッテリー式電気自動車」のことで、エンジンがなく、ガソリンなどの燃料を使わずに、バッテリーに充電した電力でモーターを動かして、電気のみを使って走行することができるのが特徴です。
BEV車は、ガソリン車と違って走行中に二酸化炭素を排出しないため、環境にも優しいエコカーとして近年世界的に普及し始めています。
維持費の安さも、BEV車の大きなメリットのひとつです。
では、本題に入って「デュトロZ EV」の魅力的な中身をご紹介していきたいと思います。
《BEVシステム》
○リチウムイオンバッテリー
日野デュトロZ EVのバッテリーには、エネルギー密度の高い、大容量リチウムイオンバッテリーが採用されています。
○駆動用モーター
低回転域から高トルクを発生する駆動用モーターで、スムーズな出足で、頻繁な発進・停車の多い配送業務に最適な駆動用モーターです。
○航続距離
一充電あたり150kmと、市街地の配送に充分な航続距離を達成しています。
※WLTCモード(国土交通省審査値)
○急速充電
アクセサリーコンセント(100V)を2口設定。
始業前の普通充電、休憩時の急速充電、どちらの給電器にも対応しています。
《荷役・積載》
○ウォークスルー構造
ハイルーフで動きやすい運転席、運転席から車外に降りずに荷室へ移動できるウォークスルー構造です。

○スライドドア
歩道側から乗り降り可能な、左サイドスライド扉。
作業中も安心です。
○超低床設計
床面地上高は、空車時450mm、定積時で400mmと超低床設計です。
これだけではピンとこないかもしれないので、多くの人になじみのある乗用車(後席フロアの高さ)と小型商用車(床面地上高)のカタログ表記値で比較してみました。
【乗用車】
・トヨタ・アルファード:450mm(高さ350mmのステップあり)
・ホンダ・N-BOX:370mm(荷室は470mm)
・トヨタ・JPN TAXI:320mm
【小型商用車】
・トヨタ・ハイエース:620mm
・日産・NV200バネット:520mm
・ダイハツ・ハイゼットカーゴ:630mm
・三菱・ミニキャブMiEV:675mm
上の比較を見た上でも、デュトロ Z EVはステップこそないものの、アルファードと同等のフロア高であり、どの小型商用車よりも低いことがわかります。
○荷室高
荷室の高さは、1,795mmと、立ち作業もラクにできます。
○着座位置
乗り降りの多いドライバーの負担軽減を図って、運転席のヒップポイントが低く設定されています。
《安全性能》
市街地の走行に必要な、先進安全技術を搭載。
○クリアランスソナー
障害物への接近を検知して、アラートでお知らせ。コンビニなどの壁面ガラスも検知します。

○誤発進抑制機能
アクセルを踏み間違えても、低速での衝突回避を支援。
○PCS※(プリクラッシュセーフティ)
衝突の回避や、衝突時に被害軽減をサポート。
※PCSはトヨタ自動車㈱の商標です。
○バックカメラ&電子インナーミラー※
目視しにくい後方の安全確認をサポート。
※アルミバンはオプション。
○電動パーキングブレーキ
頻繁な発進、停車をより簡単、確実に。ダイヤル式シフトセレクターと連動して、パーキングブレーキが作動します。
○VCS(車両安定制御システム)※
滑りやすい路面やカーブでの事故の抑制に貢献。
※VCSはトヨタ自動車㈱の商標です。
○LEDヘッドランプ&デイタイムランニングランプ
夜間の見えやすさ、見られやすさの向上に貢献。車外の明るさに応じて、自動的に点灯・消灯するシステムも搭載しています。
○車線逸脱警報
車線の逸脱を検知し、ドライバーに警告。
ドライバーがウィンカー操作を行わずに車線を逸脱した場合、警告ランプの点滅とブザーによる警報で注意を喚起します。
《快適性能》
イージードライブと、取り回しのしやすいサイズ感。
○スイッチ操作パネル
操作シーンを想定して設計。走行中に使用するスイッチ類は、自然に手の届く位置に設定するよう配慮されています。
○フル液晶コンビネーションメーター
表示類は、ドライバーが見やすい最適なサイズ。
○コンパクトボディー
狭い道での運転を考慮したコンパクトなボディー。
4ナンバーサイズに収まる全長、全幅ながら、約8㎥の荷室容積、最大積載量1.0トンを確保しています。
また、普通免許を持っていれば誰でも運転できるよう、車両総重量は3.5トン未満に設定されています。

○ダイヤル式シフトセレクター
シフトチェンジを手元でよりシンプルに。
手元のダイヤルを回すだけでレンジ切り替えができるセレクターです。
○ドライバー席
快適に操作できる運転環境を追求。圧迫感の少ない空間となるよう、前方視界への配慮やゆとりある足元スペースが確保されています。
○eDPA機能
アクセルペダルのみで加減速を調整できる機能。
○ECOモード
電費の向上をサポート。
○ステアリングスイッチ
ステアリングを握ったまま、各種操作が可能。
さらに携帯電話などと連携してハンズフリーで通話できる機能も採用されています。
○スマートエントリー&スタートシステム
キーを取り出さずに施錠と解錠ができる。
加えて、盗難防止システムにも対応。
乗り降りが頻繁な配送作業に大変便利です。
○小回りの効く最小回転半径
狭い街中での走行や、縦列駐車もスムーズ。
○空調システム
乗員一人ひとりの快適さを配慮。
どこの座席に座っていても快適さが行き届きます。
《まとめ》
見慣れたデュトロの顔ですが、コンパクトな車体に小さなタイヤが特徴で、かわいらしい印象。
現行の普通免許で運転可能な、車両総重量3.5トン未満。
最大積載量は、1トンを確保!
この積載量は、同じ総重量3.5トンのガソリン1トン積トラック(トヨタ・ダイナ)に近い数値で、ディーゼル車では今の所存在しない(いすゞ・エルフmioは未発売)から驚き。
全高から1ナンバー車(普通貨物自動車)となるが、全長・全幅は小型車サイズに収まる。
最小回転半径は4.9mで、最近の乗用車よりも小回りが利く!
荷室フロアは、乗用車なみの低さ。
走りは、ディーゼル車よりもガッシリ系。(という噂・・)
以上のように、「日野デュトロ Z EV」には魅力的な所がたくさんありました。
物流現場でドライバーの負担軽減を担うだけでなく、環境にも優しい1台だと言えると思います。
2021年11月より、ヤマト運輸での実証運行も開始されているようです。
街中で、この車を見る日も近いかもしれません。
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https://used.truck123.co.jp/blog/basic_knowledge/paint_and_weld/20221121-2711/
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